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Cardanoはなぜ「グリーンブロックチェーン」と呼ばれるのか

ビットコインやイーサリアムのマイニングから生じる膨大な電力消費とハードウェア汚染をステーキングプロセスで回避

2021年 8月 17日 Fernando Sanchez 8 分で読めます

Cardanoはなぜ「グリーンブロックチェーン」と呼ばれるのか

2008年にSatoshi Nakamotoがビットコイン白書を発表して以来、ビットコインは、しばしば不適切な理由によりスポットライトを浴びながら、議論を巻き起こしてきました。最大の批判は、ビットコインが採用するプロトコルの役に立たない作業に基づいたマイニング活動が、いかに環境にダメージを与えているか、というものです。これは、多大なものであることがわかりました。

執筆時点で、Digicomistはマイニングの年間電力消費量を99.37テラワット時(TWh)と見積もっています。見方を変えれば、この数値は世界の年間発電量の0.55%を占め、マレーシアやスウェーデン規模の国を支えるのに十分な量となります。

この数か月、プルーフオブワークが環境に与える影響が関心を集めています。マイニングアルゴリズムは大量の電力を必要とするのです。たとえば電力消費に関する懸念により、2021年3月にモンゴルでマイニングハブが閉鎖されました。

暗号資産のマイニングから利益を得ようとする動きは、地域や動機によって限定されるものではありません。2021年、英警察は大麻栽培を摘発するため、ある建物を捜索しました。代わりに見つかったのは、電力網に不正接続された100台のビットコインのマイニング用コンピューターボードでした。後に、「3人のオタク」が毎月16,000英ポンド相当の電力を盗んで、8,000英ポンドの暗号資産を稼いでいたと報告されました。

よりグリーンな暗号資産への道

ビットコインのプルーフオブワーク型アルゴリズムは、機能の基盤でありながらも、アキレスの踵でもあります。パワフルな最先端のマイニング設備を使えば生産量は増しますが、設備が高速になればなるほど必要な電力量は増加します。これは、長期的サステナビリティへの懸念を生じさせます。

Cardanoが使用しているプルーフオブステークは、なぜ環境にやさしいコンセンサスメカニズムなのでしょうか。

プルーフオブワークは資源集約型です。これは、ブロックを生成するためにマイナーが複雑な数学的問題を解かなければならないためです。意味のない、ランダムに生成されたパズルを解くために、電力を大量消費する世界的なレースが行われます。この膨大な計算力は、星図の作成や宇宙生命体の調査に使用することもできます。このデジタル作業の無駄使いは、実世界に影響を及ぼします。

パワフルなハードウェアを必要とすることで、副次的に電子廃棄物の問題が引き起こされます。マイナーは競合者に後れを取ることのないよう、よりパワフルなマイニング設備を購入する必要があります。「古い」設備は、その多くがマイニングの役にしか立たず、瞬く間に型落ちとなり、廃棄されます。Digiconomistによれば、ビットコインの電子廃棄物は驚くほど大量です。世界の電子廃棄物で再利用されるのはたったの20%であり、マイニング設備のプラスチックやヘビーメタルなどの有害物質は埋め立てごみとなります国連の予想によれば、2050年までに世界の電子廃棄物は年間1億2000万トンに上ります。

では、なぜ新聞の解説Motley Foolなどの投資ブログで、Cardanoは「グリーンブロックチェーン」と呼ばれるのでしょうか。サステナビリティと環境にやさしい暗号通貨という観点から、Cardanoには2つの明確な利点があります。はるかに少ない電力消費量とステーキングです。

プルーフオブステークでは、ネットワーク参加者がノードを実行します。そしてチェーンが、ノードのステーク量やその他のパラメーターに基づき、新たなブロックを追加するノードを選定します。この2つのアルゴリズム(および、その必要とする電力)の主な違いは、プルーフオブステークではブロック生成者が過剰な時間と計算力を使ってランダムなパズルを解く必要がないという点です。IOHKのトップ、Charles Hoskinsonは、Cardanoの電力消費量はビットコインの0.01%と見積もっています。

プルーフオブワークの暗号資産は、ブロックを生成するために、意味なく電力を大量消費するレースで勝つための計算力を必要とします。Cardanoノードは対照的に、Raspberry Piなどの超低電力プロセッサーで実行することができます。これらは4000万台以上製造されており、多くは開発途上国の学校で使用されています。というのも、コストはわずか40~70米ドルほどだからです。この単純性により、プラスチックと電子廃棄物も削減されます。

カーボンニュートラルなブロックチェーン

ここ数年の極端な天候と森林火災、そして、地球温暖化と気候変動に関する国連の画期的な(そして背筋の凍る)調査により、これはさらに浮き彫りにされました。森林破壊、棚氷の枯渇、地球温暖化はおしなべて衆目にさらされています。世界各地における熱波は、環境にダメージを与え、森林火災は多くの地域に衝撃を与えます。結果として、サステナビリティの問題を助長するようなものは、すべて厳密な調査の対象となります。これには、拡大する暗号資産業界も含まれます。

2015年12月12日、地球温暖化を2℃までに抑えることに法的拘束力を持たせるパリ議定書に196か国が署名しました。現在、2050年までに二酸化炭素排出量の大幅な削減を目指す、「ネットゼロエミッション」レースが進行中です。

環境問題への取組みに簡単な答えはありません。Cardanoは、非効率な旧来のシステムに置き換えられる分散型プラットフォームです。サステナビリティに関し信頼性を得ているCardanoや他のプルーフオブステーク型プロトコルは、ビットコインによって生じた問題を助長するのではなく、むしろ解決の一助となると見られています。

Fernando Sanchez

Fernando Sanchez

Senior Technical Writer

Marketing and Communications